冷えのぼせってなに? ~『冷え性なのに、気づくと靴下を脱いでしまう』不思議な体の反応~
寒いのに、なぜか靴下を脱ぎたくなる。
「冷えているはずなのに、温めるとしんどい」
そんな経験はありませんか?
いくら温かい服を着ても、カイロを貼っても、
体の奥まで温まらない。
それは“温めが足りない”わけでも、
“ひどい冷え性だから仕方ない”わけでもないのです。
実はそこには、体が発している小さなサインが隠れています。
🌿1章:不思議な体の反応 ― 靴下を脱ぎたくなる理由
冬の夜、冷えがつらくて靴下を履いたのに、
なぜか「脱いだ方が楽」と感じたことはありませんか?
それは、体が“温め方を変えてほしい”と伝えているサイン。
人の体は、外からの熱よりも、
【体内で巡る力】によって温まるようにできています。
血流や気の流れが滞っていると、
熱が上半身にこもり、下半身には届かなくなる。
その結果、足先は冷えているのに、
頭や顔は熱いというアンバランスな状態が生まれるのです。
🍃2章:中医学の視点:冷えのぼせとは?
中医学では、これを「冷えのぼせ」と呼びます。
体の中には「陽(あたためる力)」と「陰(うるおい・冷ます力)」があり、
このふたつがバランスを取ることで体温や気分が安定しています。
本来、陽のエネルギー(熱)は下から上へ、陰のエネルギー(水分)は上から下へと流れ、
お互いを補い合いながら全身をめぐっています。
ところが
・ストレスや緊張で、気が上部に偏る
・長時間のデスクワークやスマホ操作で上半身ばかり使う
・睡眠不足や冷たい飲食で下半身の巡りが弱まる
そんな状態が続くと、
“上半身は熱いのに、下半身は冷たい”というアンバランスな巡りが生まれます。
その結果、
・顔がほてるのに足が冷える
・靴下を履くと苦しく感じる
・足が熱くなって眠れない
といった症状が現れるのです。
冷えにはいくつかのタイプがあり、
単純に「温める」だけでは改善しないこともあります。
なぜなら、“温める”よりも先に、
めぐりを取り戻すことが必要だからです。
冷えのぼせは、 ただの「温度の問題」ではなく、
エネルギー(気)の流れが滞っている状態です🔥
たとえるなら、 下半分に水が溜まっていて、
上半分に蒸気がこもっている鍋のようなもの。
火を強めても、下が冷えたままでは全体は温まりません。
大切なのは、 下を温めながら、上のこもりを逃がすこと。
これが解決すると、体内の熱は自然に巡り始め、
“芯から温まる”感覚を取り戻していくのです。
🌸3章:体の声を聴くということ
靴下を脱ぎたくなる・・・それは、体の“知恵”です。
体は常に、私たちに最適なバランスを探しています。
「もう熱を外に逃がしたい」と感じたとき、
自然と靴下を脱いだり、布団をめくったりするのです。
そんなとき私たちは、
「冷えてるんだから我慢して靴下を履かなきゃ」と
体の声より知識を優先してしまうことがあります。
けれど本当は、
知識を活用する前に、そのままを感じてあげることが一番のケア。
心と体は、いつもつながっています。
無理に温めるより、“気が流れる道”を整えることが、
芯からの温かさへとつながっていくのです。
🌕体のサインに気づくことから、体を心地よく温めることが始まります。
次回は、日常でできる“めぐりの整え方”をお届けします🌿
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