「話すこと」は、心と体を整える養生です ~40代からは“足す”より“手放す”という選択~
久しぶりに友人に会ったとき、
気づけば自分ばかり話していた。
家族の話を聞くつもりだったのに、
なぜか言葉が次から次へと溢れてくる。
そんな経験はありませんか。
「私って、こんなにおしゃべりだったかしら」
そう感じる方もいらっしゃるかもしれません。
けれどそれは、
話し好きだからではなく、
これまでたくさんこらえてきた証なのだと思います。
言えなかった気持ち
飲み込んだ本音
「大丈夫」と自分に言い聞かせてきた感情
それらが、ようやく外に出る機会を得ただけなのです。
実はこの“話す”という行為こそが、
心と体にとって大切なデトックスになります。
感情は、体に溜まっていく
サロンにお越しになるお客様の体に触れていると、ある共通点に気づきます。
・頭皮が硬く動かない
・こめかみが張りつめている
・耳まわりが回らない
・首や肩が板のようにこわばっている
こうした状態の方ほど、
「普段あまり弱音を吐かない」
「周囲に気を遣いすぎてしまう」
「つい自分を後回しにしてしまう」
そんな優しさをお持ちです。
東洋医学では、
気(エネルギー)と感情は同じ流れを通ると考えます。
感情を抑えることは、
そのまま気の流れを止めること。
そして流れを失った場所は、
やがて“コリ”や“張り”として体に現れます。
つまり、
言葉にできなかった想いは、筋肉の緊張として残るのです。
「ため込む性格」がもたらす心身への影響
心理学では、感情を外に出さず抑え込む傾向を
「感情抑制」と呼びます。
この状態が長く続くと、
・ストレスホルモンの増加
・自律神経の乱れ
・慢性的な疲労感
・不眠や気分の落ち込み
といった不調につながりやすいことが分かっています。
我慢してしまうことは、決して弱さではありません。
けれど、我慢し続けることは、確実に心身を消耗させます。
真面目で責任感の強い方ほど、
知らず知らずのうちにご自身を追い込んでしまうのです。
年齢を重ねるほど増える「見えない不安」
40代、50代になると
別の悩みも増えてきます。
このままの仕事でいいのだろうか
何も持っていないのではないか
資格を取ったほうがいいのではないか
老後資金は足りるだろうか
そんな漠然とした不安に、
心が押しつぶされそうになることもあるでしょう。
けれど実は、
不安が苦しいのは「不安があるから」ではなく、
頭の中だけで考え続けているからなのです。
言葉にせず、心の中に閉じ込めたままでは、
不安はどんどん膨らんでいきます。
反対に、
紙に書く
誰かに話す
声に出してみる
それだけで、
モヤモヤは「形」になります。
形になると、人は初めて
それを客観的に見ることができます。
そして
「これは今すぐ心配しなくてもいい」
「これは具体的に対処できる」
そうやって、冷静に整理できるようになるのです。
アウトプットとは、
感情を取り出す行為であると同時に、
自分の人生を整える作業でもあります。
40代からは「足す」より「手放す」
若い頃は、学び、積み重ね、増やす時期。
けれど40代からは、少し生き方が変わります。
これ以上抱え込めば、重たくなる。
だから必要なのは、
新しい何かを足すことよりも、
まず手放すこと。
話す
書く
泣く
笑う
弱音を吐く
どれも立派なアウトプットです。
それは決して後ろ向きな行為ではなく、
人生の荷物を一つずつおろしていく、
とても前向きな選択です。
体力も気力も、自然には増えません
残念ながら、
年齢とともに回復力はゆるやかに下がっていきます。
体力も気力も、放っておいて増えるものではありません。
だからこそ、
いかに消耗を減らすかが大切になります。
そしてその鍵のひとつが、
「感情を溜めないこと」。
言葉にするだけで
呼吸が深くなり
血流が巡り
頭皮がゆるみ
自律神経が整っていきます。
これは気休めではなく、
体に起こる確かな変化です。
自分の声で、外に出すということ
今の時代は、情報にあふれています。
読むこと、見ること、受け取ることは増えました。
けれど、
自分の気持ちを自分の言葉で表現する機会は、
以前より少なくなっているのかもしれません。
けれど心は、
誰かの代弁では本当には軽くなりません。
やはり
自分の声で、自分の言葉で外に出してこそ、
本当に手放せるのだと思います。
サロンでたくさんお話しくださる時間も、
実は大切なケアのひとつです。
施術だけでなく、
「話してすっきりした」と笑顔で帰られる姿を見るたび、
アウトプットの力を実感しています。
どうか、ひとりで抱え込まないでください
もし最近、
頭が重い
気持ちが晴れない
なんとなく疲れが抜けない
そんな感覚があれば、
まずは小さく言葉にしてみてください。
今日の気持ちをノートに書く
「疲れた」と声に出してみる
誰かに話を聞いてもらう
それだけで、体は少しずつゆるみ始めます。
40代からの健康は、
頑張ることではなく、
溜め込まないこと。
“出すこと”が、いちばんやさしい養生です。
どうかご自身の心と体に、
少しだけ余白をつくってあげてください。
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