不安を書き出せなかった私が、気づいたこと-前向きになれない日も、私の人生は前に進める 🌿-
「不安を感じたら、書き出してみましょう」これまで、セッションなどで何度も言われてきた言葉。
頭ではわかっている。不安を心の中に抱えたままにするより、外に出した方がいい。
でも、私はそれができなかった。
前向きなことなら、いくらでも書ける。これからやってみたい、未来への希望や、ワクワクする気持ち。そういうことなら、自然と言葉が出てくる。だけど、不安なことを書こうとすると、途端に手が止まってしまう。なぜなら、書き出したことで、余計に不安が膨らんでしまう気がするから。
ひとつの不安を考え始めると、「もし、こうなったら?」「もっと悪いことが起きたら?」考えれば考えるほど、最悪な結末が、まるで現実に起きているかのように感じられてしまう。
だから私は、不安を感じたときほど、その感情を自分の中から取り出すことが怖かった。なるべく考えないようにする。別のことをして、意識をそらす。感じたものに蓋をして、なかったことにする。そうやって、自分を守ろうとしていた。でも、ある時、気づく。
どうして私は、不安を感じると、それをどんどん広げることが当たり前になっているんだろう?
目の前で何かが起きたとき、私はその出来事そのものに不安を感じているのだろうか。それとも、その出来事をきっかけに、頭の中で膨らんでいく想像に恐怖を感じているのだろうか。
実際に起きたことは、ひとつ。それなのに、過去の経験や、これまでに蓄えてきた知識をもとに、私はその先に起こるかもしれないことを次々と想像してしまう。そう考えたとき、もうひとつの問いが浮かんだ。目の前で起きた出来事によって、私は本当に、自分の大切な心まで傷つけられているのだろうか。
誰かに否定されたからといって、私自身の価値まで無くなるわけではない。
私の心の芯にあるもの。私が私であることの価値。それは、目の前で何が起きても、誰かに何を言われても、失われるものではない。
不安を感じたからといって、その理由を深く掘り下げて、納得できるまで考え続ける必要はない。今すぐ対処する必要がないのなら、いったん置いておいてもいい。何か行動する必要があるのなら、不安な未来を何度も想像することにエネルギーを使うのではなく、今できる解決策を考えることにエネルギーを使う。そして、そのエネルギーを蓄えるために、自分が心地よいと感じる時間を過ごす。
好きなことをする。ゆっくり休む。おいしいものを食べる。心がほっとする時間をつくる。
不安があるからといって、ずっと不安と向き合い続けなくていい。不安があっても、楽しい時間を過ごしていい。不安があっても、自分を幸せにすることを考えていいのです。
不安を広げるのではなく、自分の未来にエネルギーを使うために
もしも、また不安を感じたら…。
すぐに答えを出そうとしたり、無理に前向きになろうとしたりするのではなく、まずは、こんなふうに自分と向き合ってみる、そのステップをご紹介します。
STEP 1|今の気持ちを認める
「私は今、不安を感じているんだね」理由を追いかける前に、今の自分が感じていることに気づいてあげる。不安を感じる自分を、否定しなくてもいい。
STEP 2|事実と想像を分ける
「実際に起きたことは何? 私が想像していることは何?」目の前で起きた事実と、そこから頭の中で膨らんだ想像を分けてみる。想像することが悪いわけではない。ただ、想像したことが、必ず現実になるわけでもない。今、自分が何を見て、何を考えているのか。少し距離を置いて眺めてみる。
STEP 3|いったん、自分の外に置く
「この不安は、今すぐ解決しなければいけないこと?」今すぐ対処する必要があることなのか。それとも、まだ起きていない未来を心配しているのか。今は考えないと決めてもいいし、必要なときに改めて向き合ってもいい。不安を感じたからといって、その瞬間にすべてを解決しなければいけないわけではないのだから。
STEP 4|自分を前進させる問いをする
「今の私にできることは何?」「私が心地よく過ごすために、何をしてあげよう?」対処が必要なら、今できることをひとつ考えてみる。すぐに対処しなくていいことなら、自分が心地よく過ごせる時間を大切に過ごす。
いつでもうまくできなくて、大丈夫です。大切なのは、不安を感じたときに、自分を追い詰めるのではなく、自分の味方でいることなのです。
心理学から見ても、つながる考え方
感情を無理に消さず、距離を取る「心理的柔軟性」
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)では、不安などの感情を無理に消そうとするのではなく、その感情があることを認めながら、自分が大切にしたい方向へ行動することを重視します。「不安を感じている」と「不安が示す未来が必ず現実になる」は、同じではありません。不安を感じながらでも、自分にとって大切なことを選ぶことはできます。
不安を感じたら、無くすことを目指すのではなく、不安との付き合い方を変え、必要なことに一つずつ対処していくことが、自分の人生に意識を戻していくことにつながるのだと、私は思うのです。
※これらは心理学で研究されている考え方を、今回の気づきに沿って紹介したものです。すべての不安が思い込みによるものではなく、実際に対処が必要な問題もあります。自分の感情を否定せず、必要なときには具体的な行動につなげていくことが大切です。
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